特注バルブシートカッター

中央のバルブシートカッターは普通のカッターです。右側に映り込んでいるやつが今回の主役です。

右側のカッターがバルブ直径約90㎜用に特注した物です。希望の直径、角度にて製作可能です。パイロットステム(ガイド棒)も特注できますので、船舶用のエンジンなど、二輪、四輪以外にも対応可能です。バルブサイズ70㎜、バルブステム直径12㎜までは通常ラインナップでも対応できます。まれにバルブシート用ではなく、テーパー加工用の工具としての注文も受けたりしています。同軸の穴があればパイロットステムをガイドにテーパーの座面が加工できるので、何かお困りでしたらご相談ください。

バルブシートカッターのサイズについて

NEWAYのバルブシートカッターは通常は刃の位置が調整できる構造になっています。どういうことかというと

刃を最も内側に移動した状態、両面式のカッターなので、ハブに当たる寸前が限界となります。
今回紹介しているサンプルはスタンダードシリーズでは小さめのCU230、本体直径31.8㎜(表記サイズ、黄色部分の実寸は31.4㎜程度)です。これより大きいものだと本体外径よりも多少内側に移動できます。

最大位置だと本体直径よりも大きな径を加工できます。このカッターの場合、30度側が38㎜、45度側が37㎜程度まで加工できそうです。

カッターを選定する際には基本的にはバルブと同等かやや小さめを推奨します。吸気側と排気側でバルブサイズが異なりますが、うまく調整範囲に収まる場合は1サイズで対応できる場合もあります。

選択に迷ったらお気軽にご相談ください。

点火プラグの交換時期 チューニングエンジンの場合

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材料や製造技術の進歩によって純正の点火プラグの交換時期は大きく伸びていますが、サーキット走行などの高負荷運転時やチューニングエンジンの調子を維持するためには小まめな点検交換をお勧めします。

高負荷の状況下だと中負荷と比べて失火しやすくなります。そのような条件下で確実に火花を飛ばすにはプラグの状態が重要になってきます。

新品プラグの中心電極

電気火花、つまりアーク放電なのですが、特性として尖ったところから飛びやすいです。新品のプラグの中心電極は円柱状でヘリは鋭角です。

中古プラグの中心電極

使用距離1万キロ程度の中古プラグですが、中心電極のヘリが微妙に丸まり始めています。

仕様にもよりますが、街乗りと兼用の場合で1万~1万5千キロで交換、サーキット専用の場合は小まめに点検、一年に一度は交換して良いと思います。

プラグの焼け具合でエンジン不調の早期発見にもつながります。

ハーレー用 バルブシートカッターキット

KM2455EP
KM2455

今回はハーレーダビッドソン用のバルブシートカッターキットを紹介します。

NEWAY社では2種類のセットを用意しています。カッター、レンチなどは共通で、違いは付属のパイロットステムで固定式がKM2451、調整式がKM2455EPとなります。V-Rod以外に対応可能で、V-Rodへの対応は別途アップグレードキットが必要となります。

カッター詳細

Valve seat cutter for Harley Davidson
Harley Davidson専用カッター

31度と46度の両面式カッターはハブの突き出しが短いハーレー専用品です。直径38㎜と44.5㎜の2サイズ、角度は31度、46度、60度となります。

パイロットステム詳細

当社でお勧めしているのは調整式パイロットステムの方です。こちらはシンプルに5/16″, 11/32″, 3/8″の調整式と7.02㎜の固定式の4本が付属します。

対して固定式のセットだと19本組となり、付属のケースに収まりません。
5/16” 用 (5サイズ) -3, -2, -1, Std., +1
11/32” 用 (6サイズ) -4, -3, -2, -1, Std., +1
3/8” 用 (7サイズ) -2, -1, Std., +1, +2, +3, +4
7,02mm

価格が調整式のキットの方が3割程安いので、こちらを導入して必要なサイズのみ固定式を追加するのがお勧めです。付属の樹脂Tレンチよりイージーターンレンチに変更も可能です。

オンラインショップにて販売中です。

特注コンロッド製作例 クラシックカー用

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しばらく前の例ですが、某クラシックカーイベント出場車両の仕様変更という事でご依頼頂いたケースです。下の方がこれまで使用していたもので、既に特注品に代わっていました。作りからするとヨーロッパ系の雰囲気ですね。

rod beam side view

ピストンは二輪用を流用するそうなので、それに合わせて寸法変更を行い、なるべく軽量になるよう指定して発注してあります。

元のコンロッド 566.8g(メタル付き)

製作例 415.2g(メタルなし)

メタルの分を考慮しても1/4程度軽くなっています。コンロッドが軽くなることでエンジンのレスポンス向上、ベアリングの耐久性向上等のメリットがあります。適切な強度が無いとエンジンの破損に繋がるので重量と強度のバランスが重要です。

今回の寸法だとH断面の方が軽くなるとの事だったのでH断面にしました。最近の普通四輪のコンロッド寸法だとI断面の方が軽くなる場合が多いです。

近年の純正コンロッドは設計技術の向上で軽いのは良いのですが、強度的な余裕が少なくなっているので改造の際には注意が必要です。コンロッドメタルもフリクションを低減する為にコンパクトになってきていますが、増加した慣性力や燃焼圧力を受け止めるには軸受け面積も非常に重要になります。流用で多少でも軸受け性能を改善できると耐久性も大きく改善できると思います。