シリンダーヘッドスタンド 完成?

シリンダーヘッドの加工に便利なシリンダーヘッドスタンドの試作、テストが完了しました。今回はK20Aにてテスト。

シートカット中

V字になっているので自由に傾けて使用できるのが特徴です。シートカットの場合、垂直に力をかける必要があるので角度調整が出来るとかなり便利です。

ポートの加工にも使いやすいです。プラグチューブをうまくかわせるので、木っ端等で角度を調整するよりも楽に調整でき、安定性も高いです。

最適な高さの設定が難しく悩んでいます。高ささえ決まれば販売開始します。シートカット向けだと低め、ポート加工向けだと高めの方が使いやすい。どっちにするよw

価格は無塗装で税込み7700円程になる予定です。塗装は各自でよろしく!

続ECUセッティング施工例 2ZRSC

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前回の記事の続きです。

S3 Elise 2ZR

エンジン内視点検

プラグチェックと同時に内視鏡にて燃焼室を点検するのですが、どの程度見えるのか紹介します。

内視鏡での点検 ピストントップ デトネーション無し、カーボンのデポジットも問題なし
排気バルブ 良い焼け具合

バルブの当たりの状態やシリンダーのクロスハッチも見えます。

シリンダースラスト側 良好な当たり

スマホ接続の内視鏡など比較的安価に入手可能になりましたが、エンジン内の点検だとデュアルカメラ、短焦点が使い勝手が良いです。

気筒毎のばらつきやデトネーションがないことを確認しながら進めていきます。

チューニングの結果

ダイナパック計測結果

変更前にはブースト制御が介入していた6000回転近辺でトルクが落ち込んでいましたが、落ち込みが無くなりスムーズにパワーが伸びるようになり、点火時期、燃料、バルブタイミングの変更で全域のトルクが増加しました。サーキットでも乗りやすくタイムが良くなる仕様です。

実走セッティング

仕上げに試走しながら確認、調整を行います。Elise系の場合シャーシダイナモ上だと補正の学習が十分に機能しないので実走が必要です。

長周期燃料補正の入り方 左が施工前、最大約14% 施工後は最大約4%、色が濃いほど補正が多い

純正ECUは車両毎の個体差や気象条件等による誤差をフィードバック制御で補正するのですが、Lotusの場合補正量がある程度以上になるとチェックランプが点灯します。せっかくECUのチューニングを行っても意図しない補正の入り方をすると台無しになるので補正の量も確認しながら仕上げを行います。

エレメント交換式以外の社外のエアクリーナーになっている場合、結構補正が多くなりがちです。

スロットル特性の調整

仕上がるにつれて2ZR特有のアクセルペダル踏み始めのもっさり感をが気になったので調整しました。ここまで不自然だとV6車両のトルク感を際立たせるためにあえてスポイルしているのでは、と勘繰ってしまいます。アクセルケーブルの遊びが多いような状態だったので遊びを少なく、踏み始めから反応が良くなるように調整しました。

アクセルペダルの踏み込みに対するトルク出力のイメージ

ノーマルは灰色の線のようにある程度開度が増えないと反応せず、反応してもゲインが少ないのを自然な状態に変更。ツアーモードでも気持ちよく走れます。

スポーツモードも、トルク感のあるフィーリングに調整して完成となりました。

車両の仕様、オーナー様の好みに応じて調整出来るのが当社の強みです。

特に問題が無ければ1週間程度で完成します。
納車時に試走していただき、希望があれば味付けを変更出来ます。

ECUセッティング施工例 2ZRSC

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今年も残り一か月となりました。おかげさまで今年は過去最高のセッティング施工台数となりました。

今日もセッティングを施工したのでその紹介です。

S3 Elise 2ZR

現車合わせは基本的にダイナパックを使用しています。
VVTのセッティングには高精度なシャーシダイナモが必須といえます。

2ZR SC

一見NAに見えますが、インマニにスーパーチャージャーと水冷インタークーラーが一体になっています。コンパクトですが2ZZSCのデカいインタークーラーより冷えます。今日は吸気温度17度~19度程で安定。

赤線がアクセルペダル開度、青線がスロットル開度

2ZRSCの特徴として、スロットルを使用してブーストを制御しています。今回は5500~6500回転辺りで大きく制御が介入していました。

データ変更後。中間からスロットルの開度が若干上がり、ブースト制御の介入無しにトップエンドまで回っています。

ECUデータ変更無しでプーリー交換だけだと制御が介入しパワーは殆ど変わりませんw今回はノーマルプーリーです。

2ZR 点火プラグ

アナログに点火プラグのチェック、燃焼室の内視チェックも行っています。

シャーシダイナモだけでは再現できない条件もあるので、試走して調整して完成となります。

ECUセッティングは随時受付中です。年内の予定は埋まり、来年1月の施工となります。詳細はこちら。

日産 A型&L型用 バルブシートカッター

L型用 セット例

写真の物は日産の名機L20用に見繕ったシートカッターの一式です。今回はバルブサイズは吸気側38mm、排気側33mm、ステム径8mmとの事。38㎜あたりから5枚刃のカッターのメリットが大きくなるのでお勧めしています。径が大きくなると刃が多い方が安定して加工できます。2バルブエンジンだと吸気バルブと排気バルブのサイズ差が大きく、バルブシートカッターも2サイズ必要になる場合が多く、今回も2サイズ用意しています。

上の2つのカッターの色が異なりますが、品番によって異なる訳ではなく、製造ロットによって結構違います。海外製品ならではの味だと思ってくださいw

IN用の30度、45度は5枚刃カッター

今回はカッター直径31.8㎜と38㎜、対応バルブサイズが30㎜~42㎜程度になります。A型にもちょうど良いサイズで、L28用だともう一回り大きいカッターになります。

自分で加工できると微妙なセット長の調整や、少し当たり幅が広い等といった場合に便利です。

恐怖の社外エアフロセンサー

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近年の四輪エンジンは排ガス低減の為、ほぼ100%がエアフローセンサーを採用していると思われます。精密な計測を行うセンサーで定期的な交換が必要になります。

Amazon等で検索すると格安な互換品を謳う商品が見つかる場合もありますが、出力特性を似せただけの粗悪品で結構危険なのでご注意ください。

コピー品には品番、メーカー刻印が無い

純正品との比較

吸気温度センサー素子比較

右が純正品です。エンジンの振動を受けるのでセンサー素子の足は板状の専用品になっています。左のフェイクは一般的なセンサー素子をはんだ付けしてあるので折れる確率が高いです。折れたら運次第で燃焼室行きです。素子の上の開口部の形状も全然違いますねw

ホットワイヤ部分比較

この例ではホットワイヤ式なのですが、それぞれ2個並んでいるセンサー素子の左側の形状がコピー品の方は大きく異なります。2個並んでいるのは、特性が異なる素子を使い分け低流量と高流量を幅広く高精度で計測するためです。左側は高流量側です。熱容量が大きくなるとセンサーの反応が悪くなります。

このセンサーがついていた車両の場合、低負荷で走っている分には大きな違和感は無いのですがアクセルを大きく開けた瞬間にセンサーの反応が間に合わず、燃料が薄く、息継ぎ症状が出ていました。

エアフローセンサーは燃料制御と点火時期制御の基準になる重要なセンサーです。エンジンの調子を保つには純正品を使用してくださいね。