特注ピストン軽量化オプションの紹介

先日紹介した2ZZ用の軽量ピストンの裏側です。軽量化オプションの紹介にちょうど良いのでそれぞれ紹介します。

1 スカート裏側切削
スカートの裏側を機械加工で切除し、最適な厚さにします。

2 プランジボス
ピンボスのピストンピンより上側の肉抜きです。ドーム高やコンプレッションハイトが高い場合に特に有効です。

3 シェルフミル
Xタイプの鍛造型向けのオプションです。オイルリングの下のランド部の厚さを調整します。スカート幅も狭めることが可能です。

他には裏側の3D切削加工も効果が高く、冠面の形状によっては劇的に重量が変わります。

当社にて製作する場合、用途やピストンの形状によってお勧めのオプションを提案しています。

2ZZ NA用超軽量ピストン試作

posted in: Custom Piston, Products | 0

トヨタ2ZZエンジンの泣き所、コンロッドメタルの寿命を延ばすために超軽量タイプのピストンを試作しました。

ロングコンロッド用のショートハイトタイプ。単体重量254gとかなり軽量。スカート長は結構長めで長寿命、スラップ音も出にくいです。

通常バージョンだと

数年前のバージョンだと275gくらい。ピストンで20gの違いは大きいです。

旧バージョン断面

超軽量タイプの製作にあたり、ピストンを切断、各部の肉厚を検証、軽量化オプションを追加しています。
軽量化オプションの詳細は後日紹介致します。

今後、通常バージョンの在庫確保と合わせて超軽量タイプも製品化を進めていきますのでご期待下さい。

7AG 16バルブヘッド用ピストンの製作例

posted in: Custom Piston, Products, エンジン | 0

前回の20バルブ用に続き、16バルブ用を紹介します。

16バルブよりバルブ径もバルブリフトも大きくなるのでバルブリセスが深くなります。
設定圧縮比12.5(0.8㎜ガスケット使用時)でもピストントップの盛り上がりは少なく済んでいます。

ボア83㎜、かなり軽いです。

スカート長は長め、ピンオフセットの設定もしています。ストリート使用でも調子よく使えます。

こちらも一台分だけオンラインストアで販売中です。

7AG 20バルブヘッド用ピストンの製作例

posted in: Custom Piston, Products | 0

7A-FEという実用エンジンに高性能版の4AG用のヘッドを載せる7AGですが、基本的に16バルブ(92後期)、20バルブ(AE101orAE111)のシリンダーヘッドを使用する場合が多いと思います。これは7A用5mmロングコンロッド+AE111ヘッド用で製作した例です。

単体重量は243gと超軽量

このトップ形状で圧縮比12.5:1になります。4AGだともっと盛り上がった形状になります。これがストロークアップの恩恵で、ピストン容積をあまり稼がなくても十分な圧縮比が確保できます。燃焼室形状が良くなり、燃焼状態も良くなります。結果としてストロークアップ以上にトルクが出せます。

最新のスリッパータイプのスカート形状

スカート長も長めの寸法を指定して耐久性や静粛性に配慮しています。

ピストンピンオフセットも設定してあり、鍛造ピストンにありがちなスラップ音も出にくいです。

Xタイプ鍛造型使用

CP社のXタイプ鍛造型を使用しています。

各部に当社のノウハウが注ぎ込まれています。

一台分のみ在庫あり。オンラインストアで販売中です。

Cosworth BDR用 特注ピストン

posted in: Custom Piston, Products | 0
bore 85mm, comp. height 25mm, weight 276g

名門コスワースの名機BDR用に2種類の特注ピストンが完成したので紹介します。

一つ目はボア85㎜、すでにロングコンロッド化されており、既存のピストンが使用できないので特注製作となりました。形状は鍛造型との相性も良く、追加の軽量化工無しで276gとなかなか軽量になりました。

コンプレッションハイト(CH、通称ピンハイト)が約1インチとかなり思い切った寸法になっており、元のピストンは寸法設定の影響で溶損していました。今回はトップランド寸法を稼ぐためサポートレールを採用し、トップランドの厚みを増して対策しています。

迫力のトップランド幅 ピン穴とオイルリング溝の激しいオーバーラップ設定

オイルリングが脱落しないようにリング溝内の下側にピストンリング状の部品(サポートレール)を装着してからオイルリングを組付けます。

BDR 90.5mm

もう一つはボア90.5㎜と大分デカいです。フラットトップに深いリセスで重くなりそうだったので軽量加工有りでの発注にしました。

ノーマル寸法

こちらはコンプレッションハイトも純正と同等です。約36.7㎜と1.5倍近く高いです。

CPの3D軽量加工オプション MILの加工跡

重量は358gで純正の390gと比較するとまあまあ軽くなりました。軽量加工無しだと純正と同等かやや重たくなっていたと思われます。

IN側バルブリセス

とがったエッジが出来やすい場所ですが、図面で処理を指定しています。絶妙な形状に仕上がっています。

エンジン屋ならではの気遣いで製作しております。ピストンの供給や仕様でお困りの方はご相談下さい。

特注ピストン製作例 A14用 超軽量

posted in: Custom Piston | 0
A14_custom_piston_1

根強い人気を誇る名機、日産A14型エンジン用の特注ピストンの製作例を紹介します。

この手のエンジンを本気で追及すると、既製品にバルブリセスや冠面のカット等、追加工が必要になる場合が多いです。

そんな事なら丸ごと特注も選択肢に入ってきます。
リセス間の薄肉部が生じないように形状を指定してあります。

A14_custom_piston_3
裏側形状 オプションの3D軽量加工採用

今回発注したCP社の場合、ボア80㎜近辺だとクロスフロー2バルブ専用の鍛造型はありませんので、4バルブ用を使用し、機械加工で余肉を切除し軽量化する事で軽量に仕上げることが出来ます。

A14_custom_piston_2

単体重量僅か216g程度と、かなり軽量に仕上がりました。

A14_custom_piston_4

吸排気バルブの位置が気筒により異なりますので、リセスの向きで2種類あります。当然、裏側形状も対象になっています。このような場合も4気筒分から発注可能です。

もっとエンジンの性能を上げたい。そんな方の力になりたいと思っております。