Lotus ECU 追加機能 開発状況

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当社の得意とするロータスエリーゼ系のECUセッティングですが、年間数十台をコンスタントに施工して日々スキルを伸ばしております。単なるマップの書換えに終わらず、追加機能を付加する事に成功しています。追加費用が発生しますが、従来は社外ECUでないと対応出来なかった機能を純正ECUのまま追加出来ます。

ECUのプログラム領域の変更が必要になるので、現車合わせ施工時のみ対応可能です。

日本でここまでやっているのは当社だけでしょう。

マルチマップ機能

エンジン始動前にTCボタンでキャリブレーション(全マップと設定)を選択出来ます。レースガスへの対応や、スロットル特性の変更等、使い方は色々考えられます。最大4種類まで書き込み出来ます。
対応ECU
T4E(2ZZ DBW車両)

オートブリップ、フラットシフト機能 レブマッチ機能

最近のマニュアル車に良くあるレブマッチ機能です。スポーツ走行時に有ると便利です。ヒール&トウが苦手な人にもおすすめの機能です。現在T4E向けに開発中。近隣の開発協力者募集中(06以降の車両ブレーキを踏んで減速時にクラッチを切るとブリッピング、一定以上のアクセル開度でクラッチを踏むと、次のギアに合わせて回転数を落とすフラットシフト機能を追加出来ます。まだ開発初期段階です。
S2だとクラッチストロークセンサーが無いので追加が必要になります。
開発状況
T4E(06以降)にて開発&テスト中
T6E(2GR,1ZR,1ZR)T4E開発完了後 要望が有れば開発予定

E85R from Sunoco
from snoco.co.jp

E85対応

ECUの書換え以外にエタノールセンサーを追加、配線し、燃料ポンプやインジェクターの大容量化が必要になります。ガソリンと比べ冷却性能が高く、ノッキングにも強いです。SC車の吸気温度問題の解決策になりますが、初期費用、ランニングコストが高めです。任意の混合率で走れるので、市販ガソリンで自走、サーキットでE85給油で使えます。
対応ECU
T4E(2ZZ&1ZZ DBW車両)
T6E (2GR 350)

詳細はお問い合わせください。*多大な開発時間、コストが掛かるので、他メーカー車両への提供予定は有りません。

ZN6 DBW ITB Part2

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前回の続きです。マフラー交換の効果はどうだったのか?

こいつも良かった。

水色が70φマフラー。

せっかくなのでフル70φへの改造を提案。接続フランジ部分で内径が絞られていたのと、ミッションメンバーとのクリアランスが無く、走行時に干渉してやばめの音してました。多少のレイアウト変更の予定が、車両側のクリアランスがタイトでほぼ作り直しに。車体クリアランスはもちろん、ロードクリアランスも最大限確保しました。

更に良くなった。苦労した甲斐が有った。これでVVTを始め、全開域のセッティングを一通り施工出来ます。

紫の線がフル70φ。マフラーポン付けの青から更に向上。セッティングをもう一絞りで赤に。最後の落ち込みが無くなったのは、計測用にレブリミットを変更してあります。

併せてマフラーの出口位置調整も施工する事に。TRDスポイラーだと下がる分、テールピースのずれが目立つ。組付け時の調整を行っても多少ずれるのは既製品の限界ですね。切断&溶接して調整します。
苦労したけどここでは省略w
折角なので各種ファンネルでも比較テスト。頑張って作ったアルミ製と、3Dプリンター製2種。どれが良かったと思う?結果は…アルミ製。テストの詳細は割愛。VVT有りならストレート気味が良かった。

一番良かったファンネルで最終調整。

今回はエアフィルター有り

ああ、良いね!VTECポイントも下げられ、切り替え直後からトルクもりもり。パワーバンドが広がりました。今回は4800rpm切り替えが繋がりが良かったです。
通勤等日常的に使うとの事なので、エアフィルター有りで作ってます。このタイプのフィルター、なかなか優秀で、付けてもパワーもレスポンスも落ちません。エアボックスだと上手く作らないと悪影響出る場合があります。吸気温度の面ではエアボックス+ダクトが有利ですが、ボックス付けるとせっかくの吸気音が若干スポイルされます。この辺は用途や好みで選択して下さい。ワイルドな吸気音を楽しむならボックス無し、ジェントルに乗るならボックス有り。見た目重視ならファンネル剥き出し。

実走セッティングをみっちりやって完成しました。実走こそ当社の得意とするところなので、お客様に喜んでもらえるよう頑張っています。今回はエンジンも調子良く、思わずにやけるほど調子良く仕上がりました。

4スロで調子が悪い?うちにセッティングご依頼下さい。上から下までキッチリやるので安くはないけど、調子良く仕上げますよ。下やアイドリングはそんなもん、なんて事は無いんです。ナンバー付きは調子よく、楽しく乗れなきゃつまらんでしょう。

DBW式4スロ、マジでNAチューニング新時代の幕開けですぜ。

ZN6 DBW ITB取り付け&ECUセッティング

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DBW式のITB(独立スロットル、多連スロットル)にFA20用が登場、という話では無いです。準備は進めてるけど。

K24Aスワップ車両なもんで。4連スロットルは当社アコードと同じものが使えます。ハルテックでコイツを動かすのは当社では初めて。まあ、大丈夫でしょう。

施工前テストから。既に真夏の気温なので計測値は低めの数値になります。カーボン製インマニ。こいつはNA用のシングルスロットル仕様としては恐らく最も作りが良いので手ごわいです。中低速は負けるかも…。赤は暖気仕上げで緑が基準になります。ちょっとECUのデータ弄ったのが青。あまり変わらず。

4スロに交換して、配線繋いで、同調とって、ECUのデータ作り直して何だかんだで1日では終わりませんでした。翌日に持ち越し、いざテスト。

いきなり、予想以上に良かった。VVTはシングルスロットル仕様で未調整。ハイカム切り替えも5000rpmで変更無し。エンジンの基本的なセットアップが良い証拠ですね。4連スロットルにしても、エンジンの素性が良く無いとパワー出ません。音とレスポンス、雰囲気は間違いなく良くなりますが、パワー伸びるエンジンは限られます。ある程度の圧縮、大き目のカム、バルタイ等。その辺も相談頂ければアドバイス致します。

持込の大径マフラーへの交換依頼も頂いていたので交換して再度テスト。T社のターボ用ですね。70φの既製品があるのは助かります。真夏に溶接ワンオフは苦しい。U師匠は当時、真夏に焼き曲げエキマニやってましたが…尊敬します。

続く。

ECU書換施工例 NCEDロードスター

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この車両も他社にてECU書換済みとの事でした。早くなっていないような気がするという事で現車合わせ。

VVTの調整がイマイチでした。全域でトルク向上、特に5000rpmから7500rpmのトルクが大きく伸びてタイムの出るエンジンに仕上がりました。これくらいの年式だとアクセルペダル開度に対する出力トルクマップでトルク特性を設定してあります。アクセル操作に対するトルクの立ち上がりはそういったマップを変更して調整します。基本的にはノーマルよりスポーティーな味付けに変更しますが、ご要望に応じて変更する事も可能です。

NDロードスターも施工実績があり、2023年モデルまでは現車合わせ対応可能です。

セッティング施工例 K20A ハイカム仕様の場合

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戸田のA2カム、面研&ガスケットでのハイコンプ化、吸排気仕様の車両で現車セッティング。

K20A搭載車両の特徴として、冷間始動後のアイドリング回転数が高く、社外マフラーだと喧しい。純正ECUの制御だと、触媒の早期活性化の為、点火時期が遅角するので回転数以上にうるさい。静かに出来ますか?との事で対策施工。当社のアコードでも導入後気になり、Link化して即改善したポイントです。やはり気になりますよねw

ハイカムを生かすも殺すもバルタイ次第、という事で可変バルタイの調整とVTEC切り替えポイントを何通りもテストして、一番良い箇所を繋いでマップを作ります。

緑の線が施工前(他社の書換え、多分ノーマルエンジン用)、紫が施工後。
約5200rpmでハイカム切り替え。合わせ込んだバルタイが効いてハイカム領域は全域10馬力近く向上しました。レブリミットも引き上げ、従来より下から上まで美味しくつかえるようになり、ハイカムらしい伸びが出るようになりました。

ホンダエンジンだとB型やF形、K型等得意です。特に現車合わせは自信が有ります。関東近郊でお困りの方はお気軽にご相談ください。

社外ECUの選び方2

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Link G4x Plugin

今回はラインナップの多いLinkとHaltecでモデル毎の機能を比較してみます。どちらもソフトが使いやすいECUです。以下の表はメーカーの表に基づいていますが、詳細の検証までやっていないので適当です。ハルテックの入力ピン数は特に怪しいです。購入前に必ずメーカーのマニュアルを確認して下さい。

決め手になるのはDBWへの対応の有無、ノックコントロールの有無、入出力チャンネル数あたりでしょうか。ラムダは出力端子を食うので、内蔵に拘らず、外付けメーターを使用するのがお勧めです。

Input / OutputG5 Voodoo ProAtomXMonsoonXStormXXtremeXFuryXPlug-inXElite 550Elite 750Elite 1500Elite 2500/TNexus S2Nexus S3Nexus R3Nexus R5
Injection Drives16‡448888†464848818
Ignition Drives12‡448868†464848812
Auxiliary Outputs14-30#468-16#10-18#10-16#16†55556668
E-throttle ControlDual   SingleSingleSingle002222+2HB22
25A Output       00000044
Digital Inputs102488/10*8/10*11†124466610
Temperature Inputs4223444†22      
Analogue Inputs1434811912†1+12+1101011111123
Trigger Inputs222222222222222
Knock Inputs2 Channel1 Channel1 Channel2 Channel2 Channel2 Channel2 Channel†00122222
Internal MAP       (4 BAR)(4 BAR)(4 BAR)(4 BAR)(4 BAR)(4 BAR)(4 BAR) 
Lambda Sensor ControlDual    Single     1111

COMMUNICATIONS

G5 Voodoo ProAtomXMonsoonXStormXXtremeXFuryXPlug-inXElite 550Elite 750Elite 1500Elite 2500/TNexus S2Nexus S3Nexus R3Nexus R5
CAN Bus2 Channel1 Channel1 Channel1 Channel1/2 Channel*1/2 Channel*2 Channel11222223
Wi-FiY      NONONONOYESYESYESYES
USB Tuning ConnectionUSB-CUSB-MiniBUSB-MiniBUSB-AMP6USB-AMP6USB-AMP6USB-AMP6USB-BUSB-BUSB-BUSB-BUSB-CUSB-CUSB-CUSB-C
FEATURESG5 Voodoo ProAtomXMonsoonXStormXXtremeXFuryXPlug-inXElite 550Elite 750Elite 1500Elite 2500/TNexus S2Nexus S3Nexus R3Nexus R5
Onboard Logging Memory512MB512MB512MB512MB512MB512MB512MB2MB2MB8MB8MB128MB128MB128MB512MB
Global Positioning System (GPS)Y              
3 Axis AccelerometerY   YYYNONONONONONOYESYES
VVT ControlY YYYYYSingleSingleUp to 4Up to 4Up to 4Up to 4Up to 4Up to 4
Open or Closed Loop Boost ControlBothOpenBothBothBothBothBothDualDualDualDualDualDualDualDual
Flex FuelYYYYYYYYESYESYESYESYESYESYESYES
Closed Loop Lambda Auto ModeDualYDualDualDualDualDualNONOSingleDualDualDualDualDual
Long Term LearningYYYYYYYUp to 3DUp to 3DUp to 4DUp to 4DUp to 4DUp to 4DUp to 4DUp to 4D
On-Board PDM             YESYES

本体以外に周辺機器の充実具合も見てみると良いと思います。

最近CANに嵌っている私としては、CANの自由度の高さではLinkがお勧めです。マップの設定の自由度ではHaltecの4Dモードが素晴らしい。メインマップサイズはLinkが22(rpm)x20(load)、Haltecが32×32。
最近のECUは入出力が足りない場合、CANを使用して拡張デバイスで増やせます。本体の拡張性はそれ程気にしなくても良いかもしれません。予算に余裕が有れば入出力に余裕が有る物を選ぶ程度で良いと思います。使いたいMFD(多機能ディスプレイ)、PDM(電源モジュール)等と連携できるやつね。

EMtron, Maxx ECU, Motec, ECU Master辺りも良いECUだと思います。
やはり、基本的に用途と好み次第かな?予算次第?

参考資料 各社の公式比較表 Link Haltec Motec ECU Master(PDF) MaxxECU

チューニングはどうするか考えている時が何気に楽しい。さあ、一緒に悩みましょうw

ちなみに現在Linkはブラックフライデー特価で買えます。メーカー在庫限りで終了するので欲しい方はお早めにお問い合わせください。悩む暇ないかも 汗

社外ECUの選び方1 選ぶならどれ?

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motec M84

よくある質問です。各種ECU取り扱い、セッティング可能です。プライベーターにお勧めなのはLinkとHaltecでしょうか。各モデルの性能、機能で世代分けすると個人的見解ですが以下のようになりました。

黎明期、Gen0

Motec Screw driver等

ダイアル調整式など、単体で燃料、点火時期を調整するもの
博物館やマニアのコレクション向け

最初期 Gen1

代表機種 Motec M4*、M48*、フリーダムECU*、Haltec E6系*など

DOSベースでソフトが作動する物
セッティング用のハードウェアの用意が困難、当店での新規取付はお断りいたします。製造から20年程経過し、本体の故障が起こり始めており、再セッティングの際には新型に交換をお勧めします。

Gen2 結構現役

PowerFC,VPro(-v3)*, LinkG4,Emerald K6

Windowsで安定動作,シンプルなエンジンなら用途によっては十分使えます。カプラーオンで低予算化の為に使われるケースが多いです。配線加工しての新規取付はメリットが少なく非推奨

Gen3 先代?

LinkG4+, Haltec Plutinum, Motec M800*,M84*

この辺から燃料噴射量はVEマップが一般的になっています。DBW、VVT等一通り調子よく動かせるような世代。機能面で困る事はほぼありません。不足は工夫とセッティングの腕でカバーして下さい。

Gen4 現行モデル

LinkG4x, Haltec Elite, Motec M1

適切にセットアップすると社外換装のネガティブ面がほぼありません。
予算があるなら新規取付はこの辺がお勧めです。

Gen4.5

LinkG5, Haltec Nexus

ハイエンド。wifi搭載してみたり、PDM機能を付けたり各社模索している印象。ハマる人には最高かも。

番外 DIY ECU

Speeduino

低コストで導入できますが、電子工作、プログラミングできる人向け。90年代以前の古い車なら動かせるかも。オープンソースECUなので、自分でハードもソフトも改造出来ます。制御面ではGen2相当でしょうか?
当店では今のところ扱いません。モデルに因ってはコネクターが自動車向けじゃないのが気になります。耐久性大丈夫?

中古を買うか、新品を買うか

電子部品の故障は見た目では分かりません。販売者もすべての機能をテストする事は出来ないので、予期せぬトラブルもあり得ます。お店で取り付けて貰う場合、保証の確かな新品をお勧めします。故障時に責任の所在もはっきりしますw

どのメーカー?

プライベーターの場合、各社のソフトをインストールして操作してみましょう。長期的に観るとセッティングソフトが使いやすい物を選択するのが良いです。
プロに取り付けを依頼する場合、得意なECU、お勧めのECUを聞くのが良いです。最低限出来るのと、知り尽くしているのは異なります。自分の街乗り用の車両に付けてる人なら安心できると思います。付いてたら試乗させてもらいましょう。最近の車両の純正ECUも触っているお店ならさらに安心出来ます。純正の制御を知らない事にはフルコンでも調子よく仕上げられません。

脚注 *印は廃盤モデル 2024年現在

Lotus ECU日帰り現車セッティング

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ご好評頂いているLotusのElise&Exige向けECU現車合わせですが、遠方の方だと気軽には入庫や引き取りが出来ません。その為、施工をためらっている方も多いと思います。シャーシダイナモを自社導入致しましたので、4月より日帰りでのセッティングを受付開始致します。空身での往復の手間と費用を省けます。

施工スケジュール

午前中 入庫頂き、車両点検、シャーシダイナモ準備
16時頃 シャーシダイナモ上でのセッティング完了、各部点検施工
19時頃より実走行にてセッティング施工
21~22時頃 完成、引き渡し。翌朝渡しも可能です。

施工中は都内で買い物、グルメ等ご自由にお過ごしください。最寄りの浦和美園駅までの送迎も可能です。
500㎞圏外の方は一泊する方が体力的に余裕を持てて良いかもしれません。前日夜に入庫のパターンでも対応可能です。浦和美園にもビジネスホテルあります。

日帰りだと点検調整に使える時間が限られますので、対応にはいくつか条件があります。

  • セッティング施工時のハードウェア変更が無い事(ブーストアップ同時施工は日帰り非対応、一泊以上となります)
  • 現状の仕様でしばらく乗っている事(仕様変更直後、整備直後はトラブル多いです)
  • チェックランプの点灯が無い事(ハードの不良があると施工出来ません)
  • エアクリーナーの清掃及び交換、その他整備が適正に行えている事(正確に調整する為)

費用は通常の現車合わせセッティングと変わりません。詳細はお問い合わせください。

S2エキシージS S様ブーストアップ

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S様のエキシージのブーストアップを紹介致します。多数施工しているので勝手はおおよそ分かっているのですが、製造から20年近く経っているので各部の劣化に注意しながら進めます。標準の220馬力仕様の車両なので強烈にパワーアップしました。左のグラフがトルクカーブですが、3500回転からもりもりのトルク特性は圧倒的です。そのままトップエンドまでグイグイと伸びていきます。

空燃比をチェックしますが、施工前(上の点線)は極端に薄く、全負荷にもかかわらずほぼストイキでした(汗)。サーキットも走る方なので壊れる前で良かった。ECUで調整してもトップエンドで薄くなるので燃料ポンプのへたりと予想、お客さんと相談して交換することに。この辺もよくあることなので在庫ポンプに交換して作業継続。

今回は屋根付き、ハーネスバー付きでポンプのアクセスホールに到達するのが結構大変でした。助手席取り外し、リベット留めのスピーカーバッフルを取り外し、ハーネスバーを取り外し、シートベルト取り外し、内装パネル取り外してようやく到達。

パネルを一部カットするとポンプユニットが取れます。カット無しだと燃料タンクASSY降ろしが必要です。
最小限のカットなので蓋で隠れますが、共振防止の為テープも貼り付け。ここはロータスの設計ミスですね。

他にもご依頼のあったプラグ交換、エアクリ交換、オイル交換に加えて点検で劣化の見つかったテンショナープーリー、アイドラープーリーを交換、小径になったプーリーに合わせてベルト長も変えたりしてあります。

コイルやエアフロセンサーも劣化する部品なので予算に余裕があればECUセッティング時に交換をお勧めします。

220馬力車両はNAとインジェクターが共通の為、ノーマル状態でインジェクター容量を使い切っています。ECUセッティングにはインジェクター交換が必須となります。燃料ポンプも経年劣化で流量が減っている場合があります。燃料足りないとエンジン壊れます。セッティングのついでに燃料ポンプまで交換しておくと燃料系のリフレッシュになり安心出来て良いですよ。

続ECUセッティング施工例 2ZRSC

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前回の記事の続きです。

S3 Elise 2ZR

エンジン内視点検

プラグチェックと同時に内視鏡にて燃焼室を点検するのですが、どの程度見えるのか紹介します。

内視鏡での点検 ピストントップ デトネーション無し、カーボンのデポジットも問題なし
排気バルブ 良い焼け具合

バルブの当たりの状態やシリンダーのクロスハッチも見えます。

シリンダースラスト側 良好な当たり

スマホ接続の内視鏡など比較的安価に入手可能になりましたが、エンジン内の点検だとデュアルカメラ、短焦点が使い勝手が良いです。

気筒毎のばらつきやデトネーションがないことを確認しながら進めていきます。

チューニングの結果

ダイナパック計測結果

変更前にはブースト制御が介入していた6000回転近辺でトルクが落ち込んでいましたが、落ち込みが無くなりスムーズにパワーが伸びるようになり、点火時期、燃料、バルブタイミングの変更で全域のトルクが増加しました。サーキットでも乗りやすくタイムが良くなる仕様です。

実走セッティング

仕上げに試走しながら確認、調整を行います。Elise系の場合シャーシダイナモ上だと補正の学習が十分に機能しないので実走が必要です。

長周期燃料補正の入り方 左が施工前、最大約14% 施工後は最大約4%、色が濃いほど補正が多い

純正ECUは車両毎の個体差や気象条件等による誤差をフィードバック制御で補正するのですが、Lotusの場合補正量がある程度以上になるとチェックランプが点灯します。せっかくECUのチューニングを行っても意図しない補正の入り方をすると台無しになるので補正の量も確認しながら仕上げを行います。

エレメント交換式以外の社外のエアクリーナーになっている場合、結構補正が多くなりがちです。

スロットル特性の調整

仕上がるにつれて2ZR特有のアクセルペダル踏み始めのもっさり感をが気になったので調整しました。ここまで不自然だとV6車両のトルク感を際立たせるためにあえてスポイルしているのでは、と勘繰ってしまいます。アクセルケーブルの遊びが多いような状態だったので遊びを少なく、踏み始めから反応が良くなるように調整しました。

アクセルペダルの踏み込みに対するトルク出力のイメージ

ノーマルは灰色の線のようにある程度開度が増えないと反応せず、反応してもゲインが少ないのを自然な状態に変更。ツアーモードでも気持ちよく走れます。

スポーツモードも、トルク感のあるフィーリングに調整して完成となりました。

車両の仕様、オーナー様の好みに応じて調整出来るのが当社の強みです。

特に問題が無ければ1週間程度で完成します。
納車時に試走していただき、希望があれば味付けを変更出来ます。