FN2シビックR ECU現車合わせセッティング

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FN2の純正ECUの書換えセッティングのご依頼がありました。主な変更点は流用ビッグスロットル、エキマニ、マフラー等。結構パワー上がりそうです。宇都宮ナンバー、関係者っぽいですね…。

手始めにそのまま試走してチェックしたところ、幾つか気になる点が。
・冷間始動時のアイドルアップで1800回転まで上がり、排気音量がやや大きめ。社外マフラーだと気になる点です。
・2000~3000回転辺りでアクセルを踏んだ時のトルク感がイマイチ
・レブハングでシフトアップ時の回転落ちが遅い

この辺はオーナー様も気になっているようなので、併せて改善を試みる事に。

いよいよダイナパックにてセッティング。

Day1の結果。とりあえず18馬力程向上。翌日もう少し伸びました。

ホンダのK型、結構やりこんでるので一通りセッティング可能です。DC5、EP3は改造ECUでセッティング、以降のモデルは純正書換えで対応可能です。

多数の計測を行い、専用VTCマップを作製するのですが、これがK型には効きます。更にVTEC切り替え回転数4800rpmまで引き下げられました。エキマニ交換が効いている*ようでトップエンドでのパワーの落ち込みも少ないと思います。レブリミットも8200から8700に引き上げてあります。
*FN2純正エキマニはタイプR史上唯一、パッケージングの問題で集合部形状が悪く、性能がスポイルされています。

レブハング問題

FD2以降はスロットルが電子制御スロットルとなり、アクセルオフ時の回転落ちが遅くなるいわゆるレブハング制御があるのですが、気持ちよくシフトアップするのにコイツが邪魔になります。これも解除出来たのでスポーティーに。*現状FD2、FN2のみ施工可能。AP2も対応出来そう。ホンダ車は対応出来る可能性あり。

併せてアウディーコイル化もご依頼いただいていたのですが、試したところ点火せず。点火信号の波形を見たところ、ピークで4Vになっており、電圧が不足している模様。FN2の純正ECUだと残念ながら不適合となるようです。

仕上げに試走して違和感を感じたスロットル開度マップを修正します。純正マップは小さ目のスロットルで元気よく加速する特性を狙っているように思います。味付けに癖があり、少なくともビッグスロットルとの相性は良く無いと思います。

主な修正箇所は中~高回転でアクセルを踏んだ瞬間のドン付き感を無くし、スムーズにトルクが立ち上がるよう変更、中速以上でペダル開度50%以降のゲインが乏しかったのでリニア寄りに変更。その上、全域を違和感なく均して完成です。試走でも違和感なし、運転しやすくなりました。

TP_target_map

歪な方が純正マップ。目標トルク制御では無いので直観的に調整しやすいですね。

セッティングの成果

自然なスロットル特性と合わせて、全域のトルクの向上、VTEC切り替えタイミングの低回転化、レブリミットの高回転化で街乗りからスポーツ走行まで扱いやすく、気持ち良い仕上がりになりました。純正だとVTEC領域が5400~8200rpm(2800rpm)なのですぐにレブリミットに当たる感じですが、4800~8700rpm(3900rpm)と約1.4倍となり、VTECが効いてからの伸びを十分に楽しめる仕様になりました。扱いやすいのでサーキットでもタイムが伸びると思います。

A/F計等の機材を外して完成。試走してい頂き好みに合わせてTPマップを調整予定でしたが、乗り易いとの事でそのまま納車致しました。同行されたご友人も含めてK型エンジントークで盛り上がり、楽しいひと時となりました。

今後もホンダK型でより良い物が出来るよう精進します。

ホンダ車両のセッティングは随時受け付けておりますのでお気軽にお問い合わせください。

純正書換えならではの信頼性や、最大パワーやトルク以外に扱いやすさや乗り易さ、気持ち良さをお求めの方はお力になれると思います。

番外編 FN2豆知識

欧州の規制に合わせて従来のタイプR仕様からデチューンされている部分がある。
カム、バルブスプリング等が別品番。触媒がセラミック担体仕様。
ユーロRなのでオイルポンプはバランサー一体型。CL7アコードも同様。
ヘッドのポート形状は一番良い。
インマニは歴代で一番頑張っていると思う(ブランチが長いので、必ずしもパワーが出る訳では無い)
FD2のスロットルボディーが互換性あり、FD2の方が2mmバタフライ径が大きい。
純正エキマニはスペースの都合で蛸壺型の集合部になっている。
改造するなら2009年式までがお勧め。*2010年より加速騒音規制で排気系の改造が大変です。

ホンダ K20Aエンジン用 各社コンロッド比較検証

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主運動系部品

エンジンのいわゆる腰下、シリンダーブロックの中でもクランク、コンロッド、ピストンをまとめて主運動系と呼びます。

クランクと連動して動いているので主運動系、動弁系とは別扱いです。

エンジン性能を支える重要な箇所で、性格が異なる部品が多いので、選択には検証が必要になります。今回はコンロッドに絞って各メーカーの製品を検証してみます。

*以下品番、スペックに関しては誤りがあっても一切の責任を負いませんので注文前にご自身でご確認下さい。既製品の場合にも製造ロットによって結構バラつきが有ります。

各社コンロッド一覧

NA向けで安心して使えるクオリティーの物、重量を公開している製品に絞っています。

Toda Racing 13210-K20-000 x 4 503g

BrianCrower BC6041 514g

BrianCrower BC6051 430g 軽量タイプ*現在販売停止中?

BrianCrower BC6054 479g 中重量タイプ(Max 500HP)

MolnarTechnologies HH5472FFB4-A 502g

MolnarTechnologies HH5472FFB-L4-A 451g 軽量タイプ

K1 015BW17139 511g

K1 015BW17139L 460g 軽量タイプ

Carrillo AA-RSX<SA-65472H 515g SuperA I断面

Carrillo AA-RSX-1<A-65472H 480g A I断面 軽量

Skunk2 Alpha 495g H断面

Skunk2 Ultra 441g X断面

人気エンジンなのでNA専用の軽量モデルを用意しているメーカーが多いです。選択肢には困りません。むしろ多すぎてどれを選ぶか悩むレベルw それぞれ要求が異なり、どれが最高とは言えません。

結論

無いのなら作ってしまえ、という訳で、K20A用作ります。2月頃販売予定。予定重量約440g(ボルト込み)、予価税込93500円。NA専用に強度と重量のベストバランスと思う設計にしています。値段も手頃。

大端部は強めにして高回転への耐性を高めています。NAなら強度で困る事は無いと思います。ターボでも400ps程度まで対応出来ます。当社オリジナルとしてはI断面第1号になります。I断面にすると製造は大変でコストが上がるので作っていなかったのですが、設計した印象としてはビームの肉抜きで重量と強度のバランスが取りやすいです。430g辺りまでは狙えますが、そこから10gを各部の強度に割り振った感じです。BC6051やべーなw。

ある程度の数量(最小20本~)がまとまれば他のエンジン用も製作出来ますので、お困りのオーナーズクラブやショップ様はお気軽にお問い合わせください。4スト用だけしか作れませんのでご注意下さい。

1ZZ-FE用カムシャフトスペック一覧

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前回は紹介だけだったので諸元を一覧にしておきます。

IN作用角IN最大リフトEX作用角EX最大リフトパワーレンジ
トヨタ純正240°9.3mm228°8.4mm‐6500
Crower Stage1264°9.6mm264°9.3mm‐7000+
当社Stage1268°10.0mm258°9.5mm
当社Stage1.5268°10.0mm272°10.0mm
Crower S2 FI272°10.0mm272°9.6mm-8000+
Crower Stage2272°10.0mm272°10.0mm1000-7800+
当社Stage2280°10.6mm272°10.0mm
Crower Stage3280°10.5mm28010.0mm1100-8000+
1ZZカムシャフト一覧

VVT(連続可変バルブタイミング)機構が吸気側に付いており、ECUの設定で最大43度進角出来ます。排気側は中心角110度辺りが基準になります。エンジン、吸排気の仕様により最適なバルブタイミングは変わってきます。調整式スプロケットを組んでおけばECUセッティング時にタペットカバーを外して調整出来ます。

3ZZ用ピストンや社外ハイコンプピストン等で圧縮比を上げてやるとハイカムが効いてきます。

純正カムの特性

緑がノーマル、水色がECUチューニング後 @Lotus Elise, Dynapack TCF=1.0

4000回転前後で最大トルクになり、6000回転で最大パワーになりますが、4000回転以降はトルクが落ち込むため、伸びていく感じは乏しく、実用エンジンといった印象になります。その代わり、2ZZの弱点の低速トルクは豊かで街乗りだと意外と良く走ります。

エリーゼの場合、ECUのチューニングで中回転以降の伸びが大きく改善出来ます。トヨタの車両の場合、この世代の純正ECUの書換えが出来ない為、社外ECUを取り付けてセッティングとなり、敷居が高いです。

エリーゼ系で1ZZと2ZZのどっちが良いの?と聞かれる事がありますが、壊れないのは1ZZ、回して気持ち良いのは2ZZ。となります。

ZRも入れると、1ZRは遅いけど高年式が割と安く買える、2ZRは純正で水冷インタークーラーの性能が高く、2ZZSCと比べ連続走行に強いです。いずれの車両も試乗して決める事をお勧めします。

魔改造 VW Type-1 ビートル

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貴重な1950年代のビートル。なかなか素敵な色です。車高とタコメーターが只ならぬ雰囲気を漂わせます。

他所でターボ化してLink ECUを付けたは良いけどセッティングできず長期放置されていたという曰く付き案件。やばそうなので入庫前に車両下見しましたw
入庫時にはエンジンが掛からない状態になっていたので、各不具合を解消する所からスタート。エンジン関連のトラブルシューティングは散々やっているので得意なのですが、経年による問題と製作時の問題など複合的に原因がありました。ガソリン腐って燃料フィルター詰まってたり、ISCVついてなかったり、スロットル全開にならなかったり、コイル壊れてたり。セッティング作業より手直しがメインにw

結構大きいタービン付き…。350馬力対応だそうで。この年式だと純正30~36PS辺りですが 汗
ウェイストゲートの設定圧をテストしたところ約1キロだったので問答無用でスプリング抜きましたw
段階的に行きましょうwブースト制御しても下げる方には調整出来ませんから。燃料系に不調を抱えている状態でハイブーストだと一瞬でエンジン壊れますし。

エンジンもNAフルチューン改ターボ仕様と言った感じで、元NAの作用角が大きいハイカムのせいでアイドリングから負圧がほぼ無し。
通常のDジェトロ制御は不可能なのでスロットルスピード的に設定して施工。

低負荷からセッティングを進め、最終的にブースト0.5キロ弱で200PS程度に。TCF1.2換算だと240PS程。ブーストは4000回転で立ち上がるものの、カムの本領発揮が5500回転から。その辺から結構な振動が出るのでレブリミットは6500回転に。実走セッティングも行いましたが、アイドリング域はカムのせいでトルクがスカスカですが、発進に気を付ければ調子よく乗れるようになりました。車重は恐らく800kg前後なので負圧領域(というか、負圧余り掛からないので低負荷領域w)でもストレスは皆無。しかし、全開かますと真っすぐ走らない。RRでフロントの接地感が怪しい上、ステアリングの遊びもなかなか恐ろしい。それもそのはず、既にノーマル比で出力7.5~8倍です。

色々と気になる箇所があるので、これ以上のブーストはシャーシの整備&アップデート後ですね。

一通りの対策はビートル専門店で施工という事で、今回はここまで。次回のアップグレードが楽しみです。

フルコン付けたけど、セッティングが決まらず調子が悪い、始動しない等、お困りでしたらお問い合わせください。Motec、Link、Haltech等、各種セッティング対応致します。

旧ブログ引っ越しました

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ある時、ふと旧ブログを見ると、サービス終了の文字が 汗
記事の保存の為、アメーバブログに引っ越ししました。仕事でも稀に参照するので。

簡単に移行できるようにしてくれたお陰で、一通りの写真と記事が残っています。2013年からHPリニューアルするまで投稿していたようです。もの好きな方は各種検索でしばらくは旧ブログへのリンクに引っ掛かるかもしれません。goo blogご利用の方は早めの移行をお勧めします。

最新の情報ではありませんが、これからも情報源としてお役に立てて頂ければ幸いです。

Amebaブログ トップページ お時間のある時にどうぞ。

通常更新はこちらのブログを使用します。デカい画像、広告なし、自由にカスタム可なのでw