Cupcake CNCのアップグレード

はじめに

安価で個人での導入しやすさが売りだったCupcake CNCですが、 各部のアップグレードを行う事で最新の機種に近い性能を発揮させる事が可能となります。 ポイントは動作精度の向上と、プラストルーダーの信頼性向上、1.75mmフィラメントへの対応 となります。

動作精度の向上

Z軸の送りに全ネジのロッドを使用し、標準的なナットでベアリングを固定し 取り付けるという構造の為、Z軸だけでなく、ネジのピッチごとにXY平面上で 円運動を行ってしまう固体が大半だと思います。レイヤー毎に0.1〜0.5mm程 ずれてしまうとプリントしたモデルは明らかにガタガタになってしまいます。 様々な方法を試した結果、国産の全ネジロッドを使用し、切削で作られた高精度な ナットによってベアリングを固定する事で、かなり高い精度での作動を実現出来ました。 基本的な構造に変更は加えませんので、簡単に変更可能です。

プラストルーダーの信頼性向上

プラストルーダーの弱点は樹脂の詰まり、ギアモーターの故障の2点が有ると思います。 樹脂の詰まりはMK5でノズルの構造が大きく変わり、改善されていますが、 ギアモーターの故障はステッピングモーターを導入しないと改善は困難なようです。 以前は第四世代の電装系を導入し、ステップストルーダーMK6、MK7を導入するしか 無かったのですが、そうなると5万円以上の費用が掛かってしまいます。 そこで、3G 5Dシールド基盤を使用することで第三世代の電装系でステップストルーダーが 使用可能となります。これにより費用も2〜3万円程度と半額程度で導入可能となりました。 3mmの樹脂を使用する場合にはMK6、1.75mmのみでよければMK7をお勧めします。

1.75mm樹脂フィラメントへの対応

精密なモデルを出力する際、ノズルのオンオフのレスポンスを良くするには 1.75mmフィラメントの導入が効果が大きいです。ステップストルーダーMK6以降で 1.75mmフィラメントを使用した場合、設定を上手く行うと殆ど糸を引くことなくプリントが 可能となります。

静音化

ステッピングモーターのマウント位置等の関係で作動音が結構大きいので気になる方も多いと思います。 対策方法としては、取り付けてある板の共振を防ぐ、取り付け部分を中心に剛性を高め、振動を減らす等が あります。